英単語の覚え方 私の場合




英語学習者のほとんどが悩みを抱えている英単語の記憶。私もそうでした。「でした」ではなく、今でもそうなのですが、でもこの記憶の仕方で語彙が倍増しましたし、英語が見えてきました。特に真新しい方法ではありません。皆さんも知っている方法です。接頭辞、語根、接尾辞を意識し、語源で覚えるというものです。一体、この方法の何がいいのか?
  1. グループ(語根グループ)ごと覚えられる。
  2. 単語を日本語訳ではなく、イメージで覚えられる。
  3. 多義語に強くなる。
  4. 自分がすでに知っている単語や、接頭辞、語根と関連づけて英単語を覚えるので、記憶に残りやすい。


1.グループ(語根グループ)ごと覚えられる

cide がラテン語の caedere = cut(切る), kill(殺す) を語源としていることを知れば、


pesticidepesti(=pest、害虫) + cide害虫を殺す → 殺虫剤
insecticideinsect(昆虫) + cide昆虫を殺す → 殺虫剤
homicidehomi(=homo、人) + cide人を殺す → 殺人
herbicideherbi(=herb、草) + cide草を殺す → 除草剤
suicidesui(=self、自分) + cide自分を殺す → 自殺
genocidegeno(=gen、民族、種、遺伝) + cide民族を殺す →(民族、人種などの)大量虐殺
decidede(分離) + cide切り離す → 決定する
concisecon(完全) + cise(=cide)完全に切る→余分なものを切る→簡潔な
precisepre(前) + cise(=cide)前もって切る→余裕をもってあらかじめ切る→正確な
scissorssciss(=cide) + ors(もの)切るもの → はさみ


というように、芋ずる式に記憶でき、記憶の糸が張り巡らされているので、忘れた時に思い出しやすくもなります。



2.単語を日本語訳ではなく、イメージで覚えられる

例えば、attribute。 [attribute A to B]で「AをBに帰する」などと覚えますが、attribute のイメージがつかめていれば、日本語を覚えなくても、文章の中で出合ったときに意味がつかめるんです。

at(=ad =to) + tribute(ラテン語のtribuere = assign 割り当てる) つまり、attribute は、「AをBの方へ割り当てる動詞」だということです。

このイメージが頭に入っていれば、下記の文の意味もつかめます。

Scientists attributed the blame to a virus.
科学者は、責任をウィルスに割り当てた。 → 科学者は、ウィルスが原因だとした。

He attributed great importance to learning to read early.
彼は、大きな重要さを早期に読み方を学ぶことに割り当てた。
→ 彼は、早期に読み方を学ぶことが非常に重要だとした。

People were beginning to attribute superhuman qualities to him.
人々は、超人的な質を彼に割り当て始めていた。
→ 人々は、彼には超人的な能力があると考えるようになった。

This statue is attributed to Michelangelo.
この像はミケランジェロに割り当てられている。 → この像はミケランジェロの作とされている。


attribute のイメージをつかむことによって、文章のイメージがつかめるようになり、そしてそのイメージを場合に応じて日本語に置き換えられるようになるのです。辞書の日本語を一つ一つ覚えるよりも、こちらの方が効率がいいと思いませんか?



3.多義語に強くなる

例えば、appreciate。 「〜を正しく理解する、〜を鑑賞する、〜を(高く)評価する、〜に感謝する」と4つも知っていなければならない意味があります。この4つを一つ一つ覚えたのでは大変ですよね。

ここで語源の登場なのです。語源を知ると、appreciate の意味は一つしかないことがわかります。

ap (←ad = to) + preci (= price) + ate(動詞語尾) つまり、appreciate の中心イメージは「価格をつける」ということなのです。


「価格をつける」 → 価格をつけるためには、その物を正しく理解しなければならない → 「〜を正しく理解する」という意味が発生してくるのです。

「価格をつける」 → 「〜を正しく評価する」 → 芸術を正しく評価する → 「〜を鑑賞する」となります。

「価格をつける」 → 価格をつけるということは、それに価値があるということ → 「〜を(高く)評価する」という意味もうなづけます。

「価値をつける」 → 「〜を(高く)評価する」 → 人の行為を高く評価する → 「〜に感謝する」


どうですか。appreciate の中心イメージ「価格をつける」から4つの意味が生まれるのは、不思議ではないですよね。4つの意味を一つ一つ日本語とつき合わせて覚えるよりも、こちらの方がずっと理解しやすく、記憶にも残りますよね。

英単語の語源を知ることによって、単語の中心イメージがつかめます。英単語を日本語との対応ではなく、イメージとして記憶出来るようになるのです。言葉よりも、イメージの方が記憶に残りやすいことは皆さんも経験済みでしょう。英単語を語源を使って覚えると、リスニングやリーディングで単語に出会った時に日本語に変換するのではなくその単語のイメージを使って先に進んで行けるようになるのです。語源を使って英単語を覚えると、多義語もこわくなくなります。



4.自分がすでに知っている単語や、接頭辞、語根と関連づけて英単語を覚えるので、記憶に残りやすい

例えば、degrade という単語を覚えたいとします。

アルファベットを7文字使用しているので、短い単語ではありません。ところが、de + grade に分解したらどうでしょう。grade は、グレード(等級)として日本語にもなっていますので、それに de がくっついたものと考えれば、記憶に残りやすくなりませんか? そして、この de が「〜が増える」という英単語 increase の反義語 decrease「〜が減る」[de(下へ) + crease(成長する)]の de であることに気づけば、deが「下へ」を意味する接頭辞だとわかります。

ということは、de(下へ) + grade(等級)で

「下へ等級」→「下へ向かって等級づける」→「〜の品位を落とす、〜を悪化させる」

となり、自分の既に知っていることと関連付けておぼえることが出来るのです。既に知っていることとつなげて覚えるので、記憶の定着率がぐんと上がるというわけです。




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